「おつかれさま」。自宅のカギとは違う、青い幾何学文様のラインが印象的なカードキーを挿し込んでドアを開けると、穏やかな彼女の声に迎えられた。もう当たり前のようになってきた、土曜出勤。14時半過ぎに仕事を切り上げて、会社がある大手町からほど近い、<ホテル龍名館東京>を訪れた。このあと17時にチェックアウトして、由香里と一緒に銀座で食事をすることになっている。
「おつかれさま」。自宅のカギとは違う、青い幾何学文様のラインが印象的なカードキーを挿し込んでドアを開けると、穏やかな彼女の声に迎えられた。もう当たり前のようになってきた、土曜出勤。14時半過ぎに仕事を切り上げて、会社がある大手町からほど近い、<ホテル龍名館東京>を訪れた。このあと17時にチェックアウトして、由香里と一緒に銀座で食事をすることになっている。
<デイユースプラン>を利用して、このホテルを待ち合わせ場所にと考えたのは、俺の家が会社から1時間ほどかかる豊洲にあるためだ。仕事のあと一度帰って仕切り直すと、プライベートタイムの始まりは夜になってしまう。 東京駅から歩いて3分の場所にある<ホテル龍名館東京>。ベッドやバスルーム、ドリンクなどが完備された客室をプライベート空間として使うことができれば、帰宅する必要がなくなって、時間にも気持ちにも余裕ができる。
それにこのホテルは、日帰りで利用するには惜しい街の様相を一望できる景色や、スタイリッシュで落ち着きのあるインテリアデザインが魅力的だった。最近忙しくてゆっくり構ってやれない由香里に、いつものデートよりも少しだけ贅沢な気分を味わってもらえるかもしれない。本当はスイートルームなんかを予約して、ずっと一緒に過ごせれば一番喜んでくれるんだろうが・・・
「はい、ど・う・ぞ!」 たった今俺のアタマを支配していた当の彼女が、お茶を入れてくれた。一口飲んで改めて部屋を見渡すと、シングルにしてはゆったりとしたサイズのベッドに、彼女のバッグと、ブランドロゴの入ったショッピングバッグがひとつ置いてある。サイドテーブルには、飲み終えたコーヒーのカップ、そして文庫本がページを開いて伏せてあった。由香里がこの部屋に来て、ずいぶん時間が経っているようだ。
俺がホテルに入るギリギリまで、有楽町のショッピングスポットで買い物めぐりをすると言っていたのに。予想していた状況との違和感に、不思議そうに彼女を眺めていたら、「疲れてるでしょ? チェックアウトまで2時間くらいあるし、お風呂に入ったら? ここのバスルーム、すごく広くてリラックスできそうよ! ベッドも使っていいみたいだし、チェックアウト時間ギリギリまで寝てていいよ!」と、俺にバスタオルを差し出した。そして、足を投げ出して座れる縦長のソファに腰をおろし、今度は緑茶を片手に文庫本を手に取った。
「よく知ってるね」と言うと彼女は、「だってインターネットでこのホテルのこと調べてみたら、待ち合わせ場所にしてはすごく豪華で雰囲気が良かったんだもの! 買い物するよりもこの部屋をマイルーム替わりにして、ちょっとだけお姫さま気分を味わってみようかなって。ランチを済ませてから、すぐにチェックインしちゃった(笑)」 どうやら、彼女への思いが伝わったらしい。じゃあ俺も、「マイシャワー」と「マイベッド」で、プライベートタイムへとシフトチェンジしよう。このあとの“美味しい時間”へ、姫をエスコートするために。
ホテル龍名館東京の価値が集まった1室のみのスイートと、4室だけの和洋室。カップルの記念日や、ご夫婦の旅行など、特別なご滞在に是非選んでいただきたいワンランク上のプレミアムステイ。
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